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井薫会長ブログ Old Dreamerの戯言

  • 2012/02/16
  • 第165回 欧州の冬

2月13日、当初予定より数日伸びたが20日ぶりに目の治療を終え退院した。ただ、入院でややブランクがあるので、今回までは回顧調として、前回の雪国の国体参加に続いて、かつてハンドボール女子の日本代表のコーチ、監督から団長として幾度も体験した欧州の冬景色に触れてみたい。ハンドボールの女子の世界選手権大会は2年おきに厳しい寒さの12月前後、男子はその反対で5~6月の良い季節に開催される。初めの頃の欧州行きは北回り便が多かった。日本を飛び立って5時間余りでアラスカのアンカレッジに給油のために到着。約1時間の休憩があったが、これがとても楽しかった。窓外は雪一色、北米最高峰のマッキンリーも近く、アラスカの景色に見入ったものだった。

北欧の冬は霧と雪、数少ない晴れの日でも、朝10時頃に陽が登り午後3時頃に陽は沈む。だから部屋の窓から見ていると同じ窓の中で日の出と入りをみる事ができる。こんな事もあった。スウェーデンの首都のストックホルムの休日、街を歩いていると、向こうから乳母車を押した母親、その時、この時期としては本当に珍しく雲の切れ間から薄日が差した。それをみた母親は赤ん坊の防寒のシャツを急いで捲って、赤ん坊の素肌を薄日にさらす、だが、あっという間の頼りない薄日で、すぐに分厚い雲に閉ざされたがとても印象深い出来事だった。そんな季節が約半年続くので、夏の海水浴で寝そべってとにかく身体を陽にさらしているのは北欧の人たち。ただ、この頃の雪に埋もれた北欧の田舎は窓辺に花やキャンドルが飾られメルヘンチック、どの風景もそのままクリスマスカードになる。

旧ソ連での大会。日本はBグループでリトアニアの首都ヴィリニゥス会場。予選リーグを終えて次の会場であるウクライナの首都キエフへの移動で大雪の中をヴィリニゥス国際空港に行くと、雪を被りカチカチに凍て付いた小型機に大きなホースからお湯が吹き出されて融かし始めた。それからプロペラが回り乗り込んで離陸。キエフに着くまで果たして安全か不安だった。バルト海に面した海岸を朝の寒気の中を多くの人が歩く。不思議に思って訳を聞くと、大昔の地殻変動で松林が海に没したが、その松ヤニが今でも海岸に打ち上げられ、それが上質の琥珀だそうだ。今でも時折、高価な琥珀が拾えるそうで、多くの人が波間を見つめて歩く。琥珀と言えば別の機会にバルト海沿岸のサンクトペテルブルグ(旧レニングラード)のエカテリーナ宮殿内の世界的に有名な“琥珀の間”を訪れた。大きな部屋がすべて琥珀で貼りめぐらされたもので、その豪華さに本当に圧倒された。

寒さの極め付きはアイスランドの氷河。首都のレイキャビックから車で3時間、目の前に広がる氷河は凍て付いて見えるが、少しずつ動いているとの事。一方、火山の島でもあり、2010年の爆発の噴煙で欧州の多くの空港が閉鎖された。温泉もあり氷河を除いては日本と良く似た環境の国。ある年の冬には12月25日にローマのヴァチカン広場でローマ法王の世界に向けたクリスマスメッセージを聞けた。1994年の年末には、翌95年のアイスランドで開催される男子の世界選手権に向けたアジア最終予選の日本とサウジアラビア戦が、アジアで開けずパリ近郊で行われ、強化部長の立場で参加。勝利を得て12月31日にパリから帰国の途についた。3時間過ぎた機内で『只今新年を迎えました』とアナウンスがあり、乗客全員にシャンパンと機長の新年の証明カードが配られた。


photo1

(氷河を背に)


photo2

(北欧のバイキングショップ)


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