社団法人熊本県サッカー協会
井薫会長ブログOldDreamerの戯言

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第8回 中東事情

3月26日、W杯アジア3次予選で日本はアウェイでバーレーン戦に臨み0-1で敗れた。
この後、6月2日にホームの横浜で対オマーン戦、7日にアウェイのオマーン戦で再び中東に赴く。この他にもサウジアラビアやクウェート、UAE(アラブ首長国連邦)やカタールもペルシャ湾岸の国々だし、日本代表にとって忘れられない「ドーハの悲劇」はカタールの首都。私は、1990年代、クウェートに本部のあるAHF(アジアハンドボール連盟)~今回、「中東の笛」で有名になった~の競技規則委員で何度もこれらの地を訪れたので、アラブの世界にふれてみたい。

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(バーレーン国王に挨拶をする井薫会長=写真左)

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(ハンドボールアジア選手権、国歌斉唱の様子=中央が井薫会長)

日本との時差は6時間、空路は通常、タイのバンコックやシンガポールからUAEのドバイを経由してペルシャ湾岸諸国へと向かうが、かってはカタールと韓国のソウル直行便がありこれは便利だった。これらの国々はいずれも産油国だが、その埋蔵量はもう枯渇に近いバーレーンに比べ、これから50年は現在の産出が見込まれているサウジなど様々。
イスラム教の教会のモスクは早朝から、経典のコーランを読む声が流され敬虔な信者は日に5回お祈りをする、もちろんお祈りの度にモスクにでかけるわけではなく仕事場や体育館でもよく見かける。砂漠の土地だから水はとても貴重で、海水を真水化する研究も進んでいるが石油より水が高価。アルコールは禁じられていて、一般旅行者もサウジでは所持しているだけで逮捕される。クウェートでは没収される。その他では外国人はホテルの片隅に小さなバーがあり、そこでのみ飲酒が許される。
飲酒はしない彼等だがスポーツの観戦ではよく荒れる。判定に対する不服も多く、審判は警察官に護られて会場を後にするのはよくある事だし、観客同士の小競り合いが軍隊が出動する大騒ぎに発展するケースも何度か体験した。なにか潜在的不満がありそうな気もする。

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(湾岸戦争後の93年、イラクのクウェート侵攻に使われた旧ソ連製戦車の上で)

スポーツに限らず政治、経済的にもこの地域の動向は現代の国際的なキーワードで目が離せない。その主因は、イスラエルが現在の地に建国された1948年に端を発し、イスラエルとアラブ諸国の対立構造にある。
1984年、当時の西ドイツのミュンヘン五輪の選手村を襲撃、イスラエル選手団の10名を超す被害者を出したパレスチナゲリラの惨劇、それ以降の2003年9月11日のニューヨーク同時多発テロも遠因はここにある。いろいろと問題のあるイスラエルが欧州に移った後に、アラブ勢のアジアでの活動が始まったがまだ30年足らずとその歴史は浅い。
日本人にとってのアラブは、童謡の「月の砂漠」、読み物として夢中になった「アリババと40人の盗賊」、そして英国の将校の身でアラブ人になりきって活躍した「アラビアのロレンス」(1888-1935)があげられる。長いあいだ英国の植民地だったこの地が、英国の支配が終わった以降に広大な砂漠の地下に「現代の富」といわれる石油が発見されるのだから面白い。
英国支配の影響は、いまもこれらの国々の王族の子女は英国留学をする。また、クリケットや競馬等のスポーツも盛んだし、競争馬としてのサラブレットもこの地の産。
少し固くなったが今回は中東事情を。