今回は、7月26日から8月6日までのドイツチーム熊本合宿受け入れ実行委員会会長を務める、熊本市体育協会会長としての私の仕事を紹介しよう。
北京五輪がいよいよ始まるが、中国の大気汚染や食の不安、そして大会が近くなるにつれ、治安と言うよりテロの脅威も新たな不安が高まっている。
そんな開催国の事情に世界の参加国の多くは、大会直前まで中国に近いアジアの各国で強化合宿を行った。日本国内に30カ国近くが滞在したが、熊本市にはドイツの水泳チーム、オリアン・マドゼン監督以下、48名の選手団がアクアドームを中心に練習に励んだ。
熊本を合宿地に決定するにあたり、昨年12月に監督とコーチ、さらに今年6月にはコーチと食事を担当するコックが来熊する入念な視察の経緯がある。五輪にかける一国の思いの熱さを感じた。27日の歓迎会の挨拶のなかで私は『同じドイツの陸上チームは涼しい北海道で合宿中だが、北京との気温差は大きく、同じ気温の熊本に滞在される水泳チームの選択は正しいと思います』と言ったが、本音は当日36度にもなった熊本の暑さを多少というより大いに気にしての言葉だった。しかし、マドゼン監督は『私たちは、熊本で五輪の前の強化にふさわしい設備と、ホスピタリティ(もてなし)に恵まれ、万全の日々が過ごせている』と語ってくれた。
今回のドイツチームで感じたことが幾つかある。まず、専門のコックの帯同。これは生活習慣の大きく異なる今回の場合の、選手たちにとっては実に適切な配慮だろう。ちなみに北京では選手村なので、コックの彼は熊本からドイツに帰国する。
次に、各種目にコーチがつくのは理解できるが、医師2名、理学療法士3名、そして驚くことに3名もの心理学者が含まれていたことだった。監督にその訳を聞くと、1人は私の精神安定のため(これは半分ジョーク、半分本音)、そして選手たちが精神的にもベストコンデションで競技に臨むための、必要な役目と説明してくれた。
話題となったSPEEDの水着については、『我々ドイツのスポーツ界は永年、スポーツ用具メーカーのアディダスに大きな支援を受けて今日がある、だから同社の水着で五輪に臨む』ときっぱり。
熊本市は1997年の「男子ハンドボール世界選手権大会」をはじめ、2006年の「世界女性スポーツ会議」、さらに、ドイツ・ハイデルベルグや中国・桂林市と友好姉妹都市を結んでいるが、国際交流の確かな成果が根付いてきたと言える。
帯山の南ドイツのパンの店の「ビッギー」を営む小島純子さんが、チームのためにと焼くパンに、コックが『これで私は熊本ではパンの準備はしなくてよい』と、お墨付きの味とか、ビッギーの店舗の前にはドイツチームのお世話で7月27日~8月7日は臨時休業の貼紙。選手たちは30日には国際交流会館で浴衣の着付け、1日には南部総合スポーツセンターで天明少年剣道クラブとの交流など、練習の合間には「日本の伝統文化」を体験。近づく五輪本番の緊張を前に市民とのふれあいもあり、充実した日々を送っている。









