1996年、大阪府で行われた高校のサッカー大会の試合中に落雷に遭い、頭部に被雷、両目失明や手足のまひで、重度の障害が残った高知市の高校生と家族が、学校と大会主催者に損害賠償を求めた訴訟に、9月17日、総額3億円の賠償支払いが命じられた。
判決理由を「引率教諭が生徒を避難させ、試合開始の延期を申し入れていれば、事故を避けることができた」。事故当時暗雲が立ち込め、雷鳴が聞こえていて「落雷は予見できた」とした。
この事故を受け、2006年4月、日本サッカー協会は「サッカー活動中の落雷事故の防止対策の指針」を各県協会に伝え、2007年6月には同審判委員会が国内のすべての審判委員会及び審判員に、指針をもとに「雷による事故が発生しないように、未然の対策を講じるように」求めた。
今夏、大津高校も大活躍した高校総体の決勝戦は、8月4日、市立船橋と流通経大柏の千葉県同士が「さいたまスタジアム」で午後4時キックオフの予定だった。関東地方は前日の同時刻にも局地的豪雨と雷が発生したが、当日はまさに、その埼玉に集中豪雨と雷が発生した。私も、大津の準決勝の応援に急遽でかけ、決勝戦も観戦予定だったが、とにかく凄い雨と雷鳴だった。結局、このゲームは中止となり両校優勝となった。高校総体の決勝戦を中止するという大会本部の決断は大変なものだったと思われるが、きわめて適切な判断で、まさに英断だったと高く評価したい。
どんなに大切な大会や日程でも人命の尊さとは比較にできない。今回の措置がすべての大会の規範となることを期待したい。サッカーは本来、どんな荒天でも競技するスポーツだが、近年の地球温暖化に集中豪雨と雷の発生は異常であり、関係者の特に雷の予知能力が求められている。天気予報と変化の情報に敏感であってほしいと思う。
屋外の山間地で競技するゴルフはもっと危険性があるわけだが、雷が接近するとサイレンがなり、その時点で競技を中止、避雷小屋や車に避難して、天候の回復を待つシステムになっている。
危機管理では、逆の好天の高温の場合の熱射、熱中症も見逃せないが、高校生以下にはゲームの中で給水タイムが設けられているのは、実に適切な対応だと言える。
それと、強化練習等の遠征の際の車の運転。サッカーは比較的大人数の移動で一台のバスを見かける。運転者が専門の人の場合は問題ないが、監督やコーチのチーム関係者がハンドルを握るケースも少なくない、たいていの場合は遠征先の夜は酒がつきものだし、夜遅くまでの話し合いも多い、翌日、ハンドルを握る人は、人命を預かる自覚と節制、体調の管理を強く求めたい。
写真:大雨のためスタンド下や控え室など、屋内での開催となった「JFAフットボールデー」。準備したゴールは使われなかった。(KKWINGにて2008年9月15日撮影)










