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写真=北京五輪で銅メダルの日本チーム。左から2人目が末續選手。(アクロスポーツ提供)
10月8日、北京五輪の陸上100m×4のリレーで、日本の陸上界としてトラック競技では80年ぶりにメダルを獲得した、末續慎吾選手のお祝いの会が市内のホテルで行われた。トラックの短距離で並み居る外国勢に勝つことは、例えて言えばF1のカーレースに国産車が紛れ込んで走るようなもので、強力なエンジン、強靭な筋力はとても太刀打ちできるものではない。四人の走者の息の合ったバトンタッチがいかにスムーズであったか、F1レースでの巧みなコーナーワークとピットインでの給油やタイヤチェンジが素早く正確であった上のチームワークの勝利に似ていると思う。
熊本市体育協会長として挨拶に立った私は、
「末續さんメダル獲得おめでとう、貴方がレース後に見せた快心の笑顔は、テレビを見ていた私たちも本当に嬉しく感動しました。思い起こすと、最近の貴方の表情には笑顔を見ることは少なく、厳しく、ある時は修行僧の雰囲気さえ漂わせていた。それは周りの期待の重圧に耐えることからくる表情だったのでしょうが、それだけに今回の貴方の笑顔は輝いていた。そして、幸運だったのはアメリカやイギリスの強豪がバトンを落とすミスがあったことで、それでは日本チームはラッキーだったと聞こえるでしょうが、リレーは単に早く走るのではなく、バトンをいかにスムーズにつなぐかの競技であり、胸を張って喜んで良い結果と思います。今回で引退するアンカーの朝原宣冶選手が、奥さんとの絆、奥さんの支えである模様はメディアでもかなり多く報じられていました。末續さんも4年後のロンドンを目指すのであれば、ぜひ良き伴侶を得て二人三脚で肩の力を抜いて臨んでください。」
とエールを贈った。
私たちは通常、これから大会に臨む人やチームの壮行会で、「優勝」を「金メダル」をと口にする。それは、冷静に考えればとても無理だとは分かっていても、激励であり期待でもあるわけだが、その言葉を耳にする選手やチームは、言葉を発した人の想像以上にプレッシャーを受ける場合が少なくない。
だから私は特に五輪選手に対しては、クーベルタンの言う「参加する事に意義がある」の精神を伝える事にしている。7月20日に行われた末續選手の壮行会でも、金メダルを期待する表現が相次いだが、私は「自己ベストが出せたら、それが貴方の金メダル」の言葉を贈った。その際に隣にいた末續選手が小声で発した「ありがとうございます」の言葉が耳に残る。

2003年のパリでの世界陸上の200メートルで3位入賞、世界を驚かせた走りは今回五輪の胴メダルに輝いた。そひたむきな努力のさまを、高校時代に指導した九州学院高の禿雄進監督は、「走る素質も超一流だが、頑張る素質、資質がすごい」と語った。
そして今度の祝賀会で末續選手が、「熊本の皆様の声援が特に心に響く」と、これまでと一味違った言葉を口にしたが、そこには一回りも、二回りも成長した彼の姿があった。
















